帯状疱疹の予防にワクチンを
帯状疱疹の予防にワクチンが有効です
帯状疱疹とは
帯状疱疹(たいじょうほうしん)は、顔や胸、背中、腹などに、チクチクズキズキする痛みが始まり、その後、帯状に赤い斑点と水ぶくれが出る皮膚病です。
原因は
ウィルスです。でも、他人からうつったのではありません。コドモの頃に水痘(みずぼうそう)に罹ると、ウィルスは神経に入り込んで何十年も休眠して生き残ります。眠っていたウィルスが再活性化して帯状疱疹を起こします。
きっかけは
体内にウィルスがいても、ヒトの抵抗力が勝っていれば発病しません。しかし、過労・寝不足・免疫力低下・高齢化などで抵抗力が弱くなると神経の中で増殖します。
症状は
神経の中で増殖すると、最初にチクチクズキズキする「神経痛」が始まります。ついで、神経を伝わって皮膚に現れて、痒みを伴う赤い斑点、水ぶくれとなります。特徴は、ブツブツが出る前に痛みが始まること、皮膚のブツブツが神経の走行にしたがって帯状に、顔や身体の片側に現れることです。
治療は
抗ウィルス剤のゾビラックスやバルトレックスが有効です。なるべく早く始めてください。
問題は神経痛
皮膚のブツブツがなおった後に、その部位に神経痛が残ることがあります。高齢者や糖尿病などの基礎疾患のあるヒトで、強い痛みが数ヶ月以上も続くことがあります。『帯状疱疹後神経痛』として怖れられています。
予防にワクチンが有効
最近、海外の60歳以上のヒト、38,546人を対象にした研究で、水痘・帯状疱疹ワクチンが、帯状疱疹の予防に有効なことが判明しました。ワクチンを接種したヒトでは、しなかったヒトに較べ、帯状疱疹の発生率が半分以下になり、神経痛は三分の一に減少しました。(この研究タイトルは『高齢者における帯状疱疹および帯状疱疹後疼痛の予防ワクチン』です。インターネットで要約を見ることができます。雑誌名はN Eng J Med 2005;2271-84)
ワクチン接種による副反応としては、注射部位に発赤・腫脹がある程度で有害な反応はありません。
帯状疱疹は高齢者ほど罹りやすく、また神経痛を残しやすいので、ワクチン接種を勧める医師が増えつつあります。