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はじめに
一見健康そうなヒトが重症の肺炎になったら、原因としては、第一にこの『肺炎球菌』、二番目には『レジオネラ菌』を疑う必要があります。この2つの細菌による肺炎は進行が速いので、患者の抵抗力が弱かったり治療が遅れたりすると死亡することがあります。また、血液の病気や胃の手術で脾臓を摘出したヒトでは『肺炎球菌』に感染すると急に進行して数時間から数日で死亡することがあり、『脾臓摘出後重症感染症』という名前で、怖れられています。
『肺炎球菌ワクチン』 の効果は
『肺炎球菌』による感染症を予防するワクチンです。ほかの細菌による肺炎の予防効果はありません。肺炎球菌には84種類の型がありますが、このワクチンはそのうちの重要な23種類に対して感染を予防しようというものです。
最近の研究では、このワクチンをうつと、肺炎になる率は変わらないものの、より重症の『菌血症』になる率は減ります。
『肺炎球菌ワクチン』の副作用は
注射部位が腫れたり赤くなったりすることがあります。重い副作用はありません。
『肺炎球菌ワクチン』は何年間効くのか
このワクチンは『生ワクチン』ではなく『不活化ワクチン』なので、肺炎球菌に対する抗体産生によって効果が出ます。抗体は徐々に減少しますがそれでも5年間は残ります。米国では、5年たったら再接種が可能です。日本でも2010年から5年後の再接種が可能となりました。再接種では注射部位の腫れや赤み・痛みが強くなることがある、といわれています。
費用は
2歳以上のかたで、脾臓を摘出されたかたは、保険の対象です。他の方は、自費です。
ワクチンをうつべきヒトは
脾臓を摘出されたかたは必ずワクチンを接種してください。
高齢者では、呼吸器疾患・心臓病・腎臓病・糖尿病などの慢性疾患の患者、リウマチ・膠原病などで免疫力の低い方、デイケアなどの施設の利用者、におすすめします。