静岡県 袋井市 げんまクリニック 内科・呼吸器内科・アレルギー科

花粉症と口腔アレルギー症候群

花粉症と口腔アレルギー症候群

 日本の本州では、花粉症の代表はスギです。ところが、北海道ではスギの木はなく、シラカンバが春から初夏の花粉症を起こします。本州ではシラカンバの近縁のハンノキで3-4月に花粉症がおきます。夏には、イネ科のカモガヤ・オオアワガエリ(チモシー)などが花粉症の原因です。ただし、お米の稲による花粉症は多くありません。ヨーロッパではgrass pollenとよばれて、オオアワガエリが花粉症の有力な原因抗原です。秋の花粉症ではヨモギ・ブタクサ・カナムグラが原因になります。北米では、花粉症といえば、ブタクサ(ragweed)が最も重要です。

 口腔アレルギー症候群とは、何か特定の食物(果実が多い)を食べると15分以内に口がピリピリしたり咽喉の詰まる感じがでてきて、重症のヒトでは、ジンマシンや喘息が出てくる疾患です。日本では、シラカンバ花粉症やハンノキ花粉症の患者がリンゴやモモなどバラ科の果実で口腔アレルギー症候群をおこすことが最も多い。頻度は低いのですが、イネ科花粉症の患者がトマト・メロン・スイカなどで口腔アレルギー症候群をおこすことがありますし、ブタクサ・ヨモギ花粉症患者がメロン・スイカ・セロリなどで、スギ花粉症患者がトマトで口腔アレルギー症候群をおこすことがあります。この症候群の起こるメカニズムはその花粉と食物が抗原として類似しているので、体の免疫が反応してしまう(交差反応)ためです。

最新の更新 RSS  Valid XHTML 1.0 Transitional